それでも俺は、私は

それでも俺は、
      私は
ザーザーと降り注ぐ雨の中、一人の青年が空を見上げていた。
その整った顔立ちに幾人かは立ち止まるがハッと息を呑み慌てて

逃げていく。青年の体は・・・・・キズだらけだった。
そのすぐ近くには少女が四人、ただただ前を見つめている。
その端整な顔立ちに人々は立ち止まる

が、すぐに息を飲み、逃げる様に去っていく。少女たちの体は・・・・

・・・あまりに、キズだらけだった。
_これは、生まれつきの力で嫌われ、それでも前を向いていく少年

と少女たちの悲しくも温かい、陰のヒーローのお話。
少年がキッと前を向き歩いていくのをただただみつめている者達もいた
「シンタローはそんな事しないのに・・・皆、私との約束を、忘れちゃったのかな・・・・」
赤いマフラーの少女が俯きながら呟く。
一緒にいた黒い男と着物らしきものを着た幼そうな少女は何も言えずただその姿を見ているだけだった。

シンタローside
俺は歩き出した。
ーアヤノの時みたいに立ち止まっていたら、何にも始まらない。
しかし、やはりキズがジクジクと痛む。
ーあの時
俺は、メカクシ団に入った事で、元気になれた。
その事へのささやかな感謝を込めて、あるプログラムを作った。
しかし、その先は絶望だった。訳が分からないまま、蹴られ、殴られ・・・アジトを追い出された。
コノハとエネは味方をしてくれたが、コノハは取り押さえられてしまい、できなかった。
後で見ると、アジトは荒れていた。
俺の部屋も荒れていて、その時誰もアジトに居なかったし、俺もエネといた。
アリバイもあるのになんで俺を追い出したか。
その理由は、一つだけだ。
「俺は、攻略するための、道具だったんだな」
しかし、攻略しても戻ってこず、なぜか生まれつき人と違う奴しか、入れないように、変化し、俺、エネ、コノハしか入れなかった。
何処かで追い出そうとしていたのだろう。
段々、意識も朦朧とするなか、四人の少女が駆けてくるのを、俺はみた

霊夢side
私たちは、現代の町を歩いていた。
四人で歩いていると、突然の人間の襲撃、そして、どうやらひっそりとあけていたらしい境界の綻びに突き落とした。
・・・本当、今日は散々ね。
「うー・・・・取りあえず、何処に行くんですか?」
「「「山」」」
珍しく、私と魔理沙咲夜が揃った。
山は何でも受け入れる、これ社会の定説。
すると、
「おい、霊夢、路地裏に、何かあるぜ?」
私は魔理沙の言葉で、それとなしに路地へ目をやった。
すると、
赤いジャージを着た、私たちと同年代位の少年が座り込んでいた。
しかも何より驚いたのは、そのキズとオーラだった。
絶望
そんな感情しか伝わってこない程の、絶望。
そして、意識も朦朧としている。
私は、気がつけば助けるためにとび出していった。

「お、おい霊夢!?」
「ちょ、どうしたのよ?」
「ひい・・・・ちょ、ま・・・・」
「人が倒れてるの、こっちきて!!」
私は急いで、今行く筈だった森までその少年を運んだ。

??side
・・・全く
なんて愚かな生命だ
勿論、今出てきた最善策達ではなく
メカクシ団だ。
覚めると醒めるはやはり、か。あいつらならな
しかし、奪うは本当に駄目だったな
・・・此処は一つあいつ等の行動を見てみるか。
復讐と、最善策を失う痛手の復習は、その後でいい。

楽しみにしてるぜ?
バケモノさん達よお

シンタローside
夢を見た。
俺は、使いきりのカードだった。
笑顔で、あいつらがそのカードを使い、一喜一憂する。
そして、
「もう、いらない」
といい、反対するものの隙を狙って捨ててしまう。
悪夢。
その一言で済む、単純で恐ろしい夢。
「っ、はぁ!!」
目覚めると、汗びっしょりで、
知らない洞窟らしき場所で・・・
「起きた?」
何故か、浮世離れした美少女に介抱されていた。
「って、えぇっ!?」
取りあえず誰だ。
俺の中で、『誘拐』と言う単語が浮かんでは消える。
結局は消えた。
・・・おし、
「え、えと・・・有難うございます、あの、名前は?」
「あ、紹介、遅れたわね、私は博麗霊夢。此処とは違う世界から来たのよ、ちなみに・・・」
一瞬電波系かと思ったが、その矢先。
「あ!!起きたんですね!!!」
「しっかし軽いな、もっと食って太ればいいじゃないか」
「全くそうね」
さらに増える美少女。
・・・おいそこ、「ハーレム乙」じゃないからな
ていうか、あの緑の髪・・・
「確か数年前行方不明になった・・・・」
「はい、東風谷早苗です!!!!!!!!」
やけにびっくりが多いのは気にしない。
霧雨魔理沙だぜ!!」
十六夜咲夜ね」
「えっと、有難うございます」
「ところで、」
霊夢が口を開く。
「なんで貴方、キズだらけだったの?理由は?」
・・・しょうがない
俺は、理由を話し始めた。

~~~~~~~~~~~~少年説明中~~~~~~~~~~~~~~
俺の話が終わった後、霊夢は少し考えてから呟いた。
「・・・・・その、説明の中に入ってた能力は、私たちの持つ能力と違うようね」
「能力を持ってたのか?」
「ええ、・・・まあ、それは後で説明するとして、その能力について詳しく教えてくれない?」
「ああ、えっと・・・まず、この能力を手に入れるには、8月15日に、親しい人と二人で死に,カゲロウディズという特殊空 間に入り、そこから抜け出すと、命の代わりとして、埋め込まれているんだ。で、能力を発動する時には目が赤くなって だな・・・こんな風に」
そう言い、俺は目を真っ赤に染めた。
「つきの兎みたいね」
「月の兎?」
「こっちの話よ、それで?」
「で、その力には色々あって・・・たとえば、俺は目に焼き付けるっていう能力なんだ」

ピクシブだと読みにくかったもんで