遥か昔のループの話

8月15日
新団員を迎えたメカクシ団は、全員で遊園地へ歩いていった。
エネは『ご主人の携帯充電やばいんで妹さんの携帯で休んどきます』と今は寝ている。
シンタローとマリーはやや歩調が遅れているが、和気藹々と歩いていた。
「お兄ちゃんはもう・・・すぐ体力きれちゃうんだからもっと外でなよ」
「あーあー分かった分かった、出る出る」
モモの嫌味にシンタローは軽口で返す。
「確かにシンタロー君ってヒキニートだよね・・・ぶふぉっwww」
「カノ、お前失礼だぞ、人それぞれじゃないか」
「そうっすよ!!けど、マリーもちゃんと外には出ようっすね」
「うん、今度から頑張ってお散歩する・・・」
その時だった。
「あれ、人倒れてませんか?」
モモが指差した先には、黒い青年が倒れていた。
「すいませーん!!大丈夫ですかー?」
一同はタッと駆け出した。
だがしかし、シンタローとマリーは揃って遅く、十数メートル程間隔が開いてしまった。
「皆まっ・・・・・」
「おい、これ何が起こってるんだよ・・・わけわかんねぇよ・・・」
バスの突っ込み。
あの緑の髪は誰だ。
あの脱色した髪のグシャグシャになった頭はだれだろうか。
あのつぶれた足とスニーカーは誰のものだ。
グシャグシャになった変なシールのあるケイタイは誰のもので何が入っていたのだろうか。
あの緑色のつなぎは誰だろうか。
「いやだ・・・なんで、何で私の周りの人は死んじゃうの・・・?」
「何で、俺に関わった奴は死んでしまうんだ・・・?」
わからない、わからない。
「ヤダ・・!!皆と離れたくない!!」
マリーの雰囲気が変わる。
おっとりとした目が気の強そうな赤い瞳に
フワリとした髪はショートカットに
マリーはシンタローに目線をあわせ、額を合わせた。
シンタローの目も、赤くなる。
『・・・約束しよう?この悲劇を、終わらせようって』
「・・・ああ、約束だ」
それから、遥かに時間がすぎ、物語はハッピーエンドへ姿を変えていく・・・